萬城の滝から小滝、キャンプ場近辺

萬城の滝の上流、第二砂防ダム。キャンプ場。

砂防ダムと聞いて人工的な風景を想像したが、そこの流れは渓流そのものだった。
大雨に流されてきたのだろう大きい流木も多い。
流れ止まった場所が、次の住処のように周りの木や苔が流木を取り込んでいる。

小滝まで上がる道は,噴火の残した岩肌そのままに、深い淵が、魚の縄張り争いを想像させる。大物がいそうだ。

小滝を怖々上から見下ろす。その昔、水が湧くことを不思議に思う人々も、こうやって怖々と見下ろしていたのだろうと思うと、知らないその頃の人に親近感をおぼえる。

すっかり周りは暗くなり木々の上には澄んだ星空。森の木と空が一体化している。

風がなく、炭からの煙が空気に混ざり合うのを感じる。空がまるい。
炭の火を眺めながら昔の空を想う。

明け方、夜中に降った雨のせいか車道にも沢ガニがたくさん歩いている。

踏まないように、踏まないように。近くに足を置くと、岩場に隠れるように靴の脇に隠れようとする。
川と道の境が、今日は曖昧なのだろう。

昨晩の雨で、あちこちで葉が水を乗せている。
蜘蛛の巣も雨に濡れて光っている。
林の奥からゆっくりと太陽の光が差し込み、1本の蜘蛛の巣につるされ揺らいでいる葉にゆっくりと届く。
偶然の重なりがつくりだしたその光景はあっと言う間に消えてしまった。

段の山の土地利用について調査

段の山の土地利用について調査。現在では、多くの箇所が原木しいたけのほだ場になっていた。恐らく、かつては棚田として利用されていたのだろうと予測して調査したが、石積の後等を見つけることはできなかった。
段の山周辺にはあまり賽の神が見られない。子どもを対象とした信仰が根付く地と、大人を対象とした信仰が根付く地、八岳地区には、その2つの境界が明確に存在するように感じた。時期的に彼岸花が咲き誇っており、水による境界が彼岸花によって可視化されていた。この地には、水による境界と併せ、大人と子どもの境が存在しているのではないか。

また、萬城の滝の奥にある山神社は、巨石を利用した祠があった。八岳地区に時々見られる祠の型体で、溶岩石の形状を造形に利用していることが興味深い。
このように石造物を調査している中で、軽石を利用した石造物が多いことに気付く。加工しやすいとともに、壊れやすい。だからこその現在の造形がある。

椎の木平の巨木付近での踊りなど

10/14、水神社の祭典に立ち会う、小雨と神社から聴こえてくる雅楽の生演奏が至福の相性で、景色と共に身体に染み込む。地元の限られた男性のみ神社内に入れる。女性は未だ中には入れないとのこと。この昔からの風習を目の当たりにしながら、美しいわさび田を眺めた。湧水に触れ、口に含む。
10/15、松本さんはじめ皆さんと蛇喰山崩落跡へ、崩れ落ちそうなホロホロとした斜面で、動いてみる。ゴツゴツと脆い足場、緑や土の匂い。聴こえてくる音、木や岩の形をトレースするように動く。黒曜石を拾う。次に椎の木平の巨木へ。そばに植林された場所があり踊ってみる。綺麗に並んだ木によって見え隠れする身体が映像に残っていて、興味深かった。死角あることで生まれる奥行き。その後萬城の滝、だんのやまへ。初めてのリサーチ、場に身をおくことで湧いてくるアイディアと、この土地でダンスがどのように繋がっていけるのか探っていけたらと思う。