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2022年11月14日

場所:

レポート:

萬城の滝の上流

萬城の滝の上流、第二砂防ダム。キャンプ場。

砂防ダムと聞いて人工的な風景を想像したが、そこの流れは渓流そのものだった。
大雨に流されてきたのだろう大きい流木も多い。
流れ止まった場所が、次の住処のように周りの木や苔が流木を取り込んでいる。

小滝まで上がる道は,噴火の残した岩肌そのままに、深い淵が、魚の縄張り争いを想像させる。大物がいそうだ。

小滝を怖々上から見下ろす。その昔、水が湧くことを不思議に思う人々も、こうやって怖々と見下ろしていたのだろうと思うと、知らないその頃の人に親近感をおぼえる。

すっかり周りは暗くなり木々の上には澄んだ星空。森の木と空が一体化している。

風がなく、炭からの煙が空気に混ざり合うのを感じる。空がまるい。
炭の火を眺めながら昔の空を想う。

明け方、夜中に降った雨のせいか車道にも沢ガニがたくさん歩いている。

踏まないように、踏まないように。近くに足を置くと、岩場に隠れるように靴の脇に隠れようとする。
川と道の境が、今日は曖昧なのだろう。

昨晩の雨で、あちこちで葉が水を乗せている。
蜘蛛の巣も雨に濡れて光っている。
林の奥からゆっくりと太陽の光が差し込み、1本の蜘蛛の巣につるされ揺らいでいる葉にゆっくりと届く。
偶然の重なりがつくりだしたその光景はあっと言う間に消えてしまった。

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