【中間報告】永冶晃子

「CLIFF EDGE PROJECT うぶすなの水文学」リサーチプログラム 中間報告

氏名:永冶晃子

形式:動画(9:00)

萬城の滝から小滝、キャンプ場近辺

萬城の滝の上流、第二砂防ダム。キャンプ場。

砂防ダムと聞いて人工的な風景を想像したが、そこの流れは渓流そのものだった。
大雨に流されてきたのだろう大きい流木も多い。
流れ止まった場所が、次の住処のように周りの木や苔が流木を取り込んでいる。

小滝まで上がる道は,噴火の残した岩肌そのままに、深い淵が、魚の縄張り争いを想像させる。大物がいそうだ。

小滝を怖々上から見下ろす。その昔、水が湧くことを不思議に思う人々も、こうやって怖々と見下ろしていたのだろうと思うと、知らないその頃の人に親近感をおぼえる。

すっかり周りは暗くなり木々の上には澄んだ星空。森の木と空が一体化している。

風がなく、炭からの煙が空気に混ざり合うのを感じる。空がまるい。
炭の火を眺めながら昔の空を想う。

明け方、夜中に降った雨のせいか車道にも沢ガニがたくさん歩いている。

踏まないように、踏まないように。近くに足を置くと、岩場に隠れるように靴の脇に隠れようとする。
川と道の境が、今日は曖昧なのだろう。

昨晩の雨で、あちこちで葉が水を乗せている。
蜘蛛の巣も雨に濡れて光っている。
林の奥からゆっくりと太陽の光が差し込み、1本の蜘蛛の巣につるされ揺らいでいる葉にゆっくりと届く。
偶然の重なりがつくりだしたその光景はあっと言う間に消えてしまった。

萬城の滝、貴僧坊水神社、大見城址

まだ日の出時間前の薄暗い萬城の滝。外気温は 10 度を下回る。近くに森の生き物がいそうで緊張感もある。今日の滝壺はとても穏やか。薄暗いせいか滝壺の音も細かく落ち着いて聞こえる。
貴僧坊水神社。
9 月のはじめに植えられたという小さいわさびの葉が、元気に山を背にして並んでいるのが、何とも微笑ましい。まだ葉が小さく水面に写りこむ葉の姿が面白く撮影に時間をとる。
大見城址。
山頂本丸まであがると、麓を流れる大見川を流れる音が山に響いて大きく聞こえる。前回数えられないほど飛んでいたトンボは全くいなくなり、揺れるすすきに変わっていた。霧に包まれる大見城址を訪れたいと思っているが、まだ叶っていない。