段の山の土地利用について調査

段の山の土地利用について調査。現在では、多くの箇所が原木しいたけのほだ場になっていた。恐らく、かつては棚田として利用されていたのだろうと予測して調査したが、石積の後等を見つけることはできなかった。
段の山周辺にはあまり賽の神が見られない。子どもを対象とした信仰が根付く地と、大人を対象とした信仰が根付く地、八岳地区には、その2つの境界が明確に存在するように感じた。時期的に彼岸花が咲き誇っており、水による境界が彼岸花によって可視化されていた。この地には、水による境界と併せ、大人と子どもの境が存在しているのではないか。

また、萬城の滝の奥にある山神社は、巨石を利用した祠があった。八岳地区に時々見られる祠の型体で、溶岩石の形状を造形に利用していることが興味深い。
このように石造物を調査している中で、軽石を利用した石造物が多いことに気付く。加工しやすいとともに、壊れやすい。だからこその現在の造形がある。

椎の木平の巨木付近での踊りなど

10/14、水神社の祭典に立ち会う、小雨と神社から聴こえてくる雅楽の生演奏が至福の相性で、景色と共に身体に染み込む。地元の限られた男性のみ神社内に入れる。女性は未だ中には入れないとのこと。この昔からの風習を目の当たりにしながら、美しいわさび田を眺めた。湧水に触れ、口に含む。
10/15、松本さんはじめ皆さんと蛇喰山崩落跡へ、崩れ落ちそうなホロホロとした斜面で、動いてみる。ゴツゴツと脆い足場、緑や土の匂い。聴こえてくる音、木や岩の形をトレースするように動く。黒曜石を拾う。次に椎の木平の巨木へ。そばに植林された場所があり踊ってみる。綺麗に並んだ木によって見え隠れする身体が映像に残っていて、興味深かった。死角あることで生まれる奥行き。その後萬城の滝、だんのやまへ。初めてのリサーチ、場に身をおくことで湧いてくるアイディアと、この土地でダンスがどのように繋がっていけるのか探っていけたらと思う。

蛇喰山崩落跡他

雨は降っていないが重たそうな曇り空。第三堰堤。自生していたアケビをいただく。
ほんのりのずいぶんと久々な甘さ。前回ここを訪れたのは雨の降っていた時。川の流
れに雨が落ちて、ほんの少し川の水が増えることを肌で感じるような場所だった。今
回は前日の雨が濡らした黒曜石のガラス質が微妙に光をはね返している。濁流によっ
てつくられた大きな山の割れ目に自然の脅威を感じながらその間を登っていくと、崩
れそうな土を繋ぎ止めるように木の根が張り出している。根よりも下から木と空を見
上げる。空がすごく近い。椎の巨木。3 度目にして初めて雨が降っていない。木の間
から差す光が、あちこちに出来はじめた小さな苔をやわらかく照らす。萬城の滝。滝
近くの断崖を見上げる。火山の面白さをそのまま肌で感じる岩の姿は、長い年月とい
うより不思議と新鮮さを感じた。15 時頃、ようやく日が差しはじめた。