段の山の土地利用について調査

段の山の土地利用について調査。現在では、多くの箇所が原木しいたけのほだ場になっていた。恐らく、かつては棚田として利用されていたのだろうと予測して調査したが、石積の後等を見つけることはできなかった。
段の山周辺にはあまり賽の神が見られない。子どもを対象とした信仰が根付く地と、大人を対象とした信仰が根付く地、八岳地区には、その2つの境界が明確に存在するように感じた。時期的に彼岸花が咲き誇っており、水による境界が彼岸花によって可視化されていた。この地には、水による境界と併せ、大人と子どもの境が存在しているのではないか。

また、萬城の滝の奥にある山神社は、巨石を利用した祠があった。八岳地区に時々見られる祠の型体で、溶岩石の形状を造形に利用していることが興味深い。
このように石造物を調査している中で、軽石を利用した石造物が多いことに気付く。加工しやすいとともに、壊れやすい。だからこその現在の造形がある。

中学校と水神社

中学校にて雅楽演奏の授業内容についての打ち合わせと、場所の下見を行い、その後、水神社の宮司さんと祭典についての打ち合わせ。中学校では、雅楽をおそらく全くといって知らない生徒さんたちにどう伝えるか。。がポイントになりそうでした。宮司さんとは演奏箇所や演奏曲目について打ち合わせ。こちらも、普段雅楽の生演奏に触れる機会がない方々が多いのではというお話から、普段の祭典の雰囲気を損なうことのないように演奏するという方向でお話をしました。その後、水神社へ移動、山下さんに色々とご案内いただきました。山葵田の見学と、収穫をしていただきました。どのように山や、水が昔と変化してきているか。信仰のあり方の変容と合わせて興味深いものがありました。

友人およびクリニックの取材

友人およびクリニックの取材では、採卵後の卵子や、さまざまなグレードの受精卵、凍結されている胚盤胞の様子などを見せていただいた。これまでは自身の流産経験に基づき、流産を含む「出産」がいかに奇跡かということに意識が向いていたが、妊娠するよりさらに前の「卵子」という存在に触れたことで、作品全体としての幅が広がっただけでなく、より核心的な要素が加わったと感じる。また看護師さん達
へのインタビューでは、心と身体の関係や、そのケアの大切さ、不妊治療を行う上で欠かせないパートナーや社会からの理解、さらには医療費などについて伺い、性別や社会といった構造上のズレや格差がもたらす影響や、女性が安心して「妊娠」するための環境づくりについて考えるきっかけとなった。