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2022年10月16日

濁流によってつくられた大きな山の割れ目

雨は降っていないが重たそうな曇り空。第三堰堤。自生していたアケビをいただく。
ほんのりのずいぶんと久々な甘さ。前回ここを訪れたのは雨の降っていた時。川の流
れに雨が落ちて、ほんの少し川の水が増えることを肌で感じるような場所だった。今
回は前日の雨が濡らした黒曜石のガラス質が微妙に光をはね返している。濁流によっ
てつくられた大きな山の割れ目に自然の脅威を感じながらその間を登っていくと、崩
れそうな土を繋ぎ止めるように木の根が張り出している。根よりも下から木と空を見
上げる。空がすごく近い。椎の巨木。3 度目にして初めて雨が降っていない。木の間
から差す光が、あちこちに出来はじめた小さな苔をやわらかく照らす。萬城の滝。滝
近くの断崖を見上げる。火山の面白さをそのまま肌で感じる岩の姿は、長い年月とい
うより不思議と新鮮さを感じた。15 時頃、ようやく日が差しはじめた。

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