友人およびクリニックの取材

友人およびクリニックの取材では、採卵後の卵子や、さまざまなグレードの受精卵、凍結されている胚盤胞の様子などを見せていただいた。これまでは自身の流産経験に基づき、流産を含む「出産」がいかに奇跡かということに意識が向いていたが、妊娠するよりさらに前の「卵子」という存在に触れたことで、作品全体としての幅が広がっただけでなく、より核心的な要素が加わったと感じる。また看護師さん達
へのインタビューでは、心と身体の関係や、そのケアの大切さ、不妊治療を行う上で欠かせないパートナーや社会からの理解、さらには医療費などについて伺い、性別や社会といった構造上のズレや格差がもたらす影響や、女性が安心して「妊娠」するための環境づくりについて考えるきっかけとなった。