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第5回

災害民俗学から見た貴僧坊

畑中章宏 Akihiro Hatanaka
民俗学者

2022年10月27日録画

2022年10月27日(木)、民俗学者の畑中章宏氏による「災害民俗学から見た貴僧坊」と題したレクチャーが行われた。

レクチャーの前半では、柳田国男の民俗資料の分類の紹介に始まり、災害民俗学の対象や災害の種類についての説明があり、そして災害の伝承について妖怪や史跡を例に説明がされた。

後半では、畑中氏がレクチャーの前に行った、展覧会場である伊豆市貴僧坊地区を中心とした調査に基づき、神社や道祖神、仏像、災害の跡などを頼りにしながら、この地域において過去にどのような災害が起こり、どのような信仰があったのか紐解いていった。

その結果、この地域では過去に水害や風水害、土砂災害、干害がくり返し起こっており、また、過去に山火事が頻発していたことからか、火防の天狗信仰が多くあるということが浮かび上がった。

畑中章宏 (民俗学者)

民間信仰・災害伝承から最新流行の風俗まで幅広い対象に取り組む。著書に『災害と妖怪』『津波と観音』『忘れられた日本憲法』(ともに亜紀書房)、『天災と日本人』『廃仏毀釈』(ともにちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』『医療民俗学序説』(ともに春秋社)ほか多数。また、編集者として2022年に東京現代美術館で開催された第2回「Tokyo Contemporary Art Award」受賞記念展の藤井光の作品集の編集を担当した。